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2010年08月31日

音とダンスの座標軸 3Days 終了 ~感動、とかネットで得る情報、とかについて~

札幌、苫小牧、室蘭の3ヶ所の公演を終えました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました~

2日目、苫小牧での写真が数点、田仲ハルさんのブログにアップされています。

ここ ヒアラタアートスタジオは彫金家・詩人の森れいさんとジュエリーデザイナーの内藤千尋さんが母娘で主催しているギャラリー。森さんは、かつて小樽を拠点に活動していた北方舞踏派とつながりがあったりとハルさんにとってもゆかりの深い方で、打ち上げでも文学、音楽、人に関するいろいろな話が尽きなかった。

ハルさんのブログにとある俳優さんからの感想メールが掲載されていて、そこにもこの公演のことを「言葉を用いない会話の美しさは、その場を居合わせた人にしか共有できない、これは劇的な空間です。」と表現されているのだけれど、ホントにこのデュオは「体験」していただかないと何も伝わらない。
それは音楽でも、CDで聴くのとライブで聴くのとで全然違うのは同じなのだが、その「生で体験しないと伝わらない度合い」がこのデュオはさらに強いように思う。

あ、そうだ、打ち上げでもそんな話になったのだけれど、昨今インターネットが普及して、いろいろ調べ物には便利になっている反面、検索すればすぐに音も聞けて、YouTubeで映像も見られて、プロフィールやブログで人となりもわかって、その時点で「わかったつもり」になってしまい、その先(足を運んで体験するという段階)に進まない原因にもなっていると思うのですがいかがでしょう?
内田樹さんもおっしゃっているとおり、「わからない=もっと知りたい」は恋愛にも通ずるような吸引力をもたらすもののはず。
実際には本当に大事な、核心に触れるような情報はネット上には書いてないんだよね。そして、社会や人を実際に動かしているのは明らかに「そっち」の事柄です。

1500円払えば、1500円相当(もしくはそれ以上と思ってもらえるような)の「感動」が買えてしまう世の中。ということもある。

あるひとつの作品なり事柄を感動をもって受け取るにはそれなりの素養が必要です。
申し訳ないけれども、それは本当のことです。
小学校高学年くらいの言語能力があれば感動できるものもあるし、能力とは別に50年くらいの人生経験があってはじめて感動できるものもあるはず。
美しい風景を見てその悠久の時や、自然のありがたさ、命の尊さを思い、感動のあまり涙を流す4歳女児。なんてありえないわけで。(←いらっしゃったらすみません)

それをリテラシーといってしまうと元も子もないけれども。

そもそも「感動(している自分)」をそんなに信じていいので・・・・・(←ぴー!ドクターストップ入りました笑 )

いやー、僕なんか子供と一緒にアニメ映画見て、絵に描いたような(あ、アニメだから絵に描いてるけど)陳腐な仕掛けやセリフにでも「感動」してしまうんです。親になってから余計。すぐ泣くの 笑。
大人向けのものはもう少しハイレベルに「感動要素」は仕込まれていますけど。
だからそういう「表面的な感動」は主食にもおかずにもならず、せいぜいおやつみたいなものと思った方がいいかな。と自戒をこめて思っています。
「おやつばっかり食べてると虫歯になるよ。だいいち、ご飯が入らなくなるでしょ!!」

要するに何が言いたいのかというと、YouTubeとか、MySpaceとか、ホームページとかで見たり聞いたりしていただくのは大変ありがたいし、便利だけれども、その段階で「あ、こういう感じね。なるほど。わかった。好き(or嫌い) 以上おわり」ではなく、抱いた興味を継続して、できることなら何らかの形で現場に足を運んで「体験」する機会を積極的にもって欲しい。そう思うのです。


話を戻して報告の続きを簡単に

★ 苫小牧、会場での打ち上げ後は苫小牧在住の金属造形アーティスト・藤沢レオさん のアトリエ 工房LEOにお世話になる。
牛舎を改装してアトリエにしており、その周辺を会場に「樽前Arty」というアートイベントが行われたりもする。

★ 今回、ベースは生音。ラップトップからはベースの音をソースにしたエフェクト音(いろんな音が鳴ってたと思いますが全てベース音の変調です)が出るので、その音と、ループマシン(*)の音のみをPAから出すという音響システムを試みた。
特に苫小牧、室蘭の2日間はスピーカーを客席後方左右に設置して演奏。ベースの生音を生かしつつ、拡がりのある音響空間をつくることが出来たのではないかと。

(*)できればループマシン無しでラップトップだけでやりたかったのですが(機材が増えるので)、ベースのサンプリングでリアルタイムでループを作る場合、ソフト上だとどうしてもレイテンシー(遅延)が気になってしまい、タイミングを重視するループにはハードウェアを使いました。

★ 今回の公演の大事な焦点は「音とダンスの座標軸」というタイトルにも現れているテーマ。
60分の舞台を7曲で構成し、全て振り付けあり(即興的な要素は多分にありますが)でのパフォーマンス


結構長くなってしまったので、この辺で。

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2010.9.1 放送 FMおたる「 飯田雅春セレクション」プレイリスト

FMおたるで 隔週水曜21:00-22:00 放送の「飯田雅春セレクション」
FMおたる
2010/9/1 放送のプレイリストです

放送日:9/1(水)21:00〜

1. Big Nick (Duke Ellington & John Coltrane / Duke Ellington & John Coltrane)
2. Switch Blade (Duke Ellington / Money Jungle)
3. Caravan (Duke Ellington / Money Jungle)
4. Duke Ellington's Sound Of Love (Charles Mingus / Changes Two)
5. Bye-Ya (Thelonious Monk / With John Coltrane at Carnegie Hall)
6. Little Rootie Tootie (Thelonious Monk / The Complete London Collection)
7. 'Round Midnight (Miles Davis / 'Round About Midnight)
8. Giant Steps (John Coltrane / Giant Steps)
9. My Favorite Things (John Coltrane / My Favorite Things)

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