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2019年11月23日
映画「Joker」
映画「Joker」を見た
病弱な母の面倒をみながら暮らす心優しい主人公アーサー。
弱者に対してあまりに冷酷な社会の中、徐々に悪と狂気にとりつかれ、(別の映画バットマンシリーズの宿敵・悪役)Jokerとなっていく。
善と悪がまだ分離する手前の人間の心の奥の闇が、ひりひりするような痛みと共に描かれる。
社会悪も正義も、善も悪も、愛も恐怖も、渾然一体となっているような、光の届かない心の底だ。
その背景として格差社会。華やかなショービジネスの世界、貧困、荒廃。
20世紀の架空のアメリカの街・ゴッサムシティが舞台ではあるが、これは、たった今の日本と何が違うと言えるだろうか。
単純に社会や政治が悪いという話ではもちろん無い。人間のどうにもならない弱さ、儚さ。
こういう映画は世界に必要だ。
音楽も印象的だった。チェロ、コントラバスの弓の低音が何とも言えない不安(定)を醸し出す。
低い持続音はやはり、人間の無意識、善悪の彼岸、心の闇の底の様な場所に誘う力があるのだろうか。。
*主人公を演じるホアキン フェニックスは早世したリバー フェニックスの弟
by iidamasaharu